3月末にアメリカのコネチカット州ハートフォードで行われた舞台の一部衣裳を担当させていただきました。
LoreleiChangさん主宰の舞踊団dancEnlightで様々な表現方法と構成のコンテンポラリーダンス。
その最後の演目である太極拳をベースにした踊りの衣裳を担当しました。
Loreleiさんの双子のお姉さんの中西舞さんが生地に書を描き、Loreleiさんが振付けをした映像をアメリカから送ってもらい、何度も繰り返し観ながら衣裳のイメージを膨らませ、布と対話し、デザインしました。
数ヶ月に渡り、3人のやり取りが続きました。
11人の出演者に向けて同じデザインをそれぞれの身長や体型に合わせて製作。
本番2日前に現地入りし、前日は地元のラジオ番組にもいっしょに出演させていただきました。
本番当日、出演者やスタッフの方々と会場でお会いし、みなさんとても温かく迎えてくださいました。
本番はあっという間に過ぎ、無事終演を迎えることができました。
この規模と内容の舞台を創り上げるまでには、私の想像を超えるほど大変だったと思います。
そんな中、私にまでいろいろ配慮していただいたり、周りに終始笑顔を絶やさなかった彼女はやっぱり強くて素敵な人だと思いました。
その彼女を献身的に支えるお姉さんの舞さん。
ふたりの暖かく丁寧な姿勢は他の出演者にもスタッフにも同じようにうかがえました。
皆さんわざわざ挨拶や声をかけてくれ、その笑顔がほんとうに素敵で暖かく、会場を包み込んでいたように感じました。
本場アメリカでのコンテンポラリーダンスは演目ごとにLoreleiさんの想いとアイデアが詰まっていて、小物使いもひとつひとつとても斬新で興味深く感動しました。(中でも風船と身体を結び無重力のように演出された「Dreams」と、スティックで人間の一生を表現した「Life’s moments of “Haaas”and“Ahhhs”」が印象的でした)
公演後、彼女のインスピレーションの原点やアイデアが詰まったノートを見せていただき、さらに感動しました。
コンテンポラリーダンスを言葉で説明することはとても難しいですが、人間の喜怒哀楽や人生・ストーリーを身体ひとつで表現できる素晴らしいジャンルだと思います。
そして言葉無くとも通じる・伝わることが何より素晴らしいと思います。
Loreleiさんの振付と舞さんの書と私の衣裳のコラボレーションは見事に混じり合い、観客の皆さんから盛大な拍手とたくさんのお言葉をいただくことができました。
3年前の日本公演振りの共演で、念願の3人でのコラボレーションが実現できました。
この素晴らしい人たちと舞台に関わることができ、また実際観て感じることができたことが何より幸せです。
この舞台のテーマでもある "Lines Beyond Form"のように、人と人とが国と国を超えて繋がれました。
ほんとうにありがとうございました。