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森川浩恵「時鳥芸術祭」

多くの方に気軽に箏を聴いてもらいたい。

赤ちゃん連れの方や子供にも聴きにきてもらいたい。

学生の方たちにもきっかけになれば。

と、演出や会場にいろんな工夫と配慮を彼女はしていました。

あたしは一年ほど前からこの日のための衣裳を頼まれていました。

昨年、音楽事務所「時鳥」を自身で立ち上げ、今回のタイトルにもなっていた「時鳥芸術祭」にちなんで金の鳥をイメージして衣装を考えました。

数ヶ月前、「製作予算がきびしく今回の衣装を諦める。」と彼女から連絡がきました。

「バカいいなさい。コンサートを楽しみに来てくれるお客さんの前で恥かかせられないわよ!」とあたしは言いました。

最後の最後までほんとうに背骨と命を削っていた彼女をひたすら応援せずにはいられませんでした。

そんな彼女の想いがきっと会場に来ていたお客さんひとりひとりに届いていたと思います。

金の鳥に見立てて金型屋さんに着物の端切を300パーツ抜いてもらい、照明などを考え、オーロラフィルムの生地をドレスのベースに使い、そのパーツを仮でピン打ちした後にひとつひとつ手で縫い止めました。その上からオレンジのオーガンジーをドレーピングして重ねました。


小物のデザイナーの友人にコサージュを手伝ってもらいました。

既製品とは違い、手作業も多く、一行程ずつ楽しく作らせてもらいました。

公演本番

終了後、漸く笑顔が。

ほんとうにお疲れさまでした。


2012年3月23日「時鳥芸術祭」 出演:森川浩恵(唄,箏)、星衛(チェロ)、Asami(唄,ドラムパーカッション)、板垣あすか(ダンス)、木下尊惇(ギター、チャンゴ) 会場:渋谷区文化総合センター大和田伝承ホール

『時鳥はあの世とこの世と両方でなく鳥として、 今はいない人に言葉や気持ちを伝えてくれる鳥として、 俳句、和歌などの世界で親しまれてきました。 さて、音楽とは何でしょう? 芸術とは何でしょう? 作った人が、どんな人格だったかも解らなくなっても、 その人の作品は私たちの手元に残る。 デビュー10周年を節目に、 この芸術祭をスタートさせるにいたりました。 この祭りが、ゴールのないものである様に、 この祭りが、魂を見にくるところになることを祈って。』

森川浩恵さんBolg  http://ameblo.jp/morikawahiroe/entry-11203708583.html

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